[移住者インタビュー]東彼杵時間
素直な心で見つめ直した地域に息づく魅力を力を合わせて広げていく
2014年からスタートした東彼杵町のグリーン“ティー"リズム。地元の茶農家が国内外の観光客を受け入れて、実際に茶畑を案内して日本茶のおいしさや楽しみ方、歴史を伝える交流型のツーリズムだ。地域おこし協力隊、そして任期終了後は東彼杵町のふるさと交流センター職員として携わる飯塚将次さんは、農家と行政、観光客の間を調整役として繋ぎながら、一から仕組みを作り上げてきた。「特に外国人観光客から喜ばれていて、日本文化への興味からお茶のことを知りたいという方がよく参加しています。会話はグーグルの翻訳機能を駆使していますが、茶農家さんのあたたかなもてなしの心は、外国の方にもしっかり伝わっています」。
こうした活動を通して東彼杵町になくてはならない存在となった飯塚さんだが、7年前に千葉県からIターンする際には、お茶で有名な土地ということも知らなかったそう。「事前知識を得ないままの移住でしたが、ある意味、先入観なくまっさらな気持ちで深く町を知ることができたかもしれません。それに最初から地元の方が快く歓迎してくれて、今でも可愛がっていただいています」と笑顔。また移住した年に子どもが生まれ、子育ての環境としても居心地の良さを感じた。「散歩しているといろんな方が『かわいかね~』と気軽に声をかけてくれて、子どものおかげでよりスムーズに馴染めたと思います」。
東彼杵町は若い世代の茶農家が積極的に活動しており、関東からのUターンや移住者も増加。飯塚さんも一緒になって地域を盛り上げていきたいと意気込む。「東彼杵町のお茶、そして地域のみなさんには、まだまだ大きな可能性がありますし、小さい町だからこそ力を合わせて同じ方向を目指す必要があります。今後も面白い取り組みにどんどん関わっていきたいです」。地域の魅力を見つめ直し、時代に合った形で発信する。そのために必要なのは、広い視野で人を繋ぐ調整力なのかもしれない。