[移住者インタビュー]川棚時間
一期一会の出会いから始まる思いもよらない移住生活
川棚町
BUCO cafe(ブーコ カフェ)
松隈 靖之さん・文さん
穏やかな水面が輝く大村湾のそばに建つ、牧歌的で居心地の良い「BUCO cafe」。お店を営む松隈靖之さん・文さん夫婦は、念願の夢を叶えたのかと思いきや「カフェをすることも、そもそも移住することも全く予想していませんでした」と照れ笑い。もともと福岡県を拠点としながら、靖之さんはデザイナー、文さんはイラストレーターとして活動。徐々にワンルームでの仕事や生活が手狭になり、2人でゆったり仕事ができるセカンドハウスを探す中で、川棚町にある物件の見学会に軽い気持ちで参加したことがきっかけとなる。
「午前中に見学して、昼ご飯を食べるときには『買います』と宣言していました(笑)」。惚れ込んだ理由は、抜群のロケーションと目の前の船着場。船舶免許も取得し、趣味の釣りを本格的に楽しみたいと考えていた靖之さんにとって絶好の物件だった。しかし店舗向けの建物だったためそのまま住居として使うことはできず、せっかくなら人が集まる場所にしたいと、2019年5月に週末限定のカフェをオープン。道の向かいが海という絶景は、遠方からの客はもちろん、地元客も見惚れるほど。
オープンからしばらくは、平日は福岡、週末に川棚町でカフェ営業。慌ただしくも充実した生活の中で、徐々に川棚町で暮らす人の営みに惹かれていったそう。文さんは「みんな自分の家の玄関だけではなく、周りの道まできれいに掃除していて、町内清掃には高齢の方も全員が参加。行政任せにせず、自分たちが暮らす町を率先してきれいにする。そういう意識が浸透しているのは素敵ですよね」と話す。
そして12月に夫婦で川棚町に移住。現在もデザインの仕事とカフェを両立している。「結局忙しくて釣りもあまりできていませんが、週末にカフェを開けることでいろんな人が訪ねてきてくれて、これまで味わったことのない新鮮な喜びを感じています」と靖之さん。一つひとつの出会いが、夫婦の新しい生活を導いていく。