[移住者インタビュー]佐世保時間
日本中を魅了する人物が佐世保に住み続ける理由。 それは実にシンプル
佐世保市
株式会社A and Live代表取締役 株式会社ジャパネットたかた前社長
髙田 明さん
948年長崎県平戸市生まれ。71年大阪経済大学経済学部卒業。
74年に父が経営する「カメラのたかた」に入社。86年に独立し、佐世保市三川内町に「株式会社たかた」を設立。
ラジオ通販を皮切りに業績を伸ばし、99年に「ジャパネットたかた」へ社名変更。2015年、代表取締役を退任と同時に、「株式会社A and Live」設立。
BS番組「おさんぽジャパネット」出演ほか、佐世保の観光名所「九十九島パールシーリゾート」のCMなどに出演。
佐世保観光名誉大使。佐世保市在住。
こんなにも老若男女に愛された社長は、そういない。
小さなカメラ店から、日本の経済界に影響を与えるほどの企業を作り上げ、なおかつその顔と声を、日本全国の人が知っている。
髙田明さん -その人である。
ラジオ通販からテレビ通販、さらにネット通販と、時代とともに成長し続けた髙田さんの会社は、それでも佐世保にあり続けた。
一体なぜ…。誰もが思う素朴な疑問を、今回髙田さんに聞くことができた。
本社を東京に移そうと思ったことは一度もありません
Q:ご出身は平戸ですが、そもそも佐世保に来られるとき、なぜ中心部ではなく郊外でカメラ店を始められたんですか?
父も平戸でお店を構えて観光写真の仕事をしていましたので、同じようにホテルでの宴会写真などを考え、嬉野や武雄にも近い三川内町に店を構えました。
Q:その後どんどん会社が大きくなった訳ですが、本社を東京に移そうと思われたことは?
いえ、一度もないです。
企業として、どうしてもそれが必要であったらそうしたかもしれませんが、僕の場合全く必要性を感じなかったんですよ。
今の時代、佐世保からでも情報を発信することができます。
都会だと通勤も時間が掛かって大変ですし、社員やその家族のことを考えても移転という選択肢はありませんでした。
Q:佐世保が本社というお気持ちに、揺るぎはなかったのですね。
だって、イカがおいしいじゃないですか。僕はイカが大好きなんですが、佐世保では、新鮮で透き通ったイカを食べられますよね?しかも安い。
東京じゃなかなか食べられないですよ。だから僕はここにいるんです。この話をすると冗談だと思われる方も多いんですが、本当なんですよ(笑)。
Q:イカはよく食べに行かれるんですか?
そうですね。遠くから来たお客さんには特に喜んでもらっています。皆さん透明なイカを見てビックリされますよ。
それだけじゃなく、タイやアジ、サバ、とにかく海のもの何でもおいしいでしょ?
漁獲量日本有数のものもいっぱいありますしね。もっと世間に知ってもらっていいと思うくらいです。
魚だけでなく、海風を浴びた牧草で育つ長崎和牛もおいしいし、野菜も新鮮でおいしいものが気軽に手に入りますよね。
Q:自慢できることがたくさんありますね。
そうですよ。山もあるからゴルフ場も近い。海が近いから釣りだってできる。
その気になれば自給自足ができそうですよね。まぁそこまではいかなくても、家庭菜園も楽しめます。
とにかく佐世保は暮らしやすいところだと思います。
この環境をもっと生かして全国に発信していければ、佐世保の本当の魅力を皆さんに知っていただけると思いますよ。
Q:買い物はご自身で行かれることもありますか?
それがね。こんなこと言ったら怒られるかも知れないんですが…。
僕ね、物欲がないんですよ、だからほとんど買い物をしないんです。
恐らく日本一のセールスマンとして数え切れないほどの商品を販売してきた人が、これである。
この正直さと茶目っ気が、多くの人に愛される所以だ。
今回のインタビューの舞台は、佐世保駅にほど近い「いけす博多屋」。
大きな生簀を構えた店内で、髙田さんは本当においしそうにイカの活き造りを味わっていた。
普段の髙田さんはとても穏やかで落ち着いたトーン。しかも人見知りだという。
インタビューの最中、カウンターでひとりビールと刺身を楽しんでいた年配の男性が髙田さんに気付くと「お~社長」と声を掛けてきた。
「どうも、どうも」髙田さんは気さくに握手をし、日本中の人が見慣れたあの笑顔で応えていた。
佐世保市民にとって、髙田さんが佐世保に住み続けていることも大いなる自慢の一つ。
おいしいイカに感謝だ。
撮影協力:いけす博多屋 長崎県佐世保市三浦町4‐1 TEL 0956-25-6261
※掲載した内容は、平成28年10月1日発行 移住情報紙「佐世保時間」から転載しています。