[移住者インタビュー]小値賀時間
漁師として、故郷・小値賀町で見つけた新たな生きがい
小値賀町
小値賀町地域おこし協力隊 漁業研修生
伊藤 安和さん
小値賀町出身。福岡からUターン
30年ぶりの帰郷という大きな決断を経て、伊藤安和さんは漁師として新たな人生を歩み始めました。日々の学びや地域とのつながりを通じて、故郷・小値賀町の新たな魅力を発見し、地域の未来を担う一員として成長を重ねています。青年部の活動を通じた水産業の活性化への取り組みは、小値賀町の新たな可能性を切り開く挑戦として注目されています。
早期Uターンの決断と、地元の人々のあたたかい受け入れ
2023年10月に、伊藤さんは福岡から小値賀へUターン移住しました。
高校卒業後、名古屋で6年、福岡で約20年間、運送関係の仕事に従事していましたが、現在は地域おこし協力隊として漁業研修制度を活用し漁師を目指しています。
もともと地元で漁師になることには興味があった伊藤さんは、50歳での帰郷を考えていましたが、父親の体調不良をきっかけに予定を早め、家族を福岡に残し単身で移住を決意しました。
30年ぶりに戻った故郷はあたたかく、昔からの知り合いが道で声をかけてくれたり、応援してくれたりと歓迎ムード。
また、交通の便も改善され、フェリーで日帰りも可能になるなど、学生時代と比べて暮らしやすくなっているといいます。
漁師として、学びと成長の日々
「やっぱり食べ物に関しては新鮮さが違います。特に魚は桁違いの美味しさです」と語る伊藤さん。
「福岡にいるときは実家から魚を送ってもらったりしていたけれど、実際にここで獲って食べると格別です」。
食べる側から獲る側へ、漁師として修行する日々は果たしてどんなものなのでしょうか。
「サラリーマン時代と比べると、漁師はまさに未知の世界。だけど、分からないことが多いのがこんなにも楽しいなんて、って思うようになったんですよ。疑問はその日のうちに解決する、それを繰り返して成長していくことに、仕事のやりがいを感じますね」。
そして伊藤さんは、船の上から見る朝焼けの美しさにもふれ、「これまで見たことのないような素晴らしい景色に感動しています」と目を細めました。
青年部の立ち上げによる新たな取り組み
現在、小値賀町が抱える課題のひとつとして、新鮮な魚がなかなか多くの人々に行きわたらない現状があります。
実際に、ある現場でその声を耳にした伊藤さんは、同じく漁師として働く若手有志とともに青年部を立ち上げました。
「小値賀の新鮮な魚をより多くの人々に届けたい」と、魚のブランド化をはじめ、新しい販路の開拓や観光客への提供方法など、さまざまなアイデアが続々と生まれています。これからの活性化に期待が高まりますね。
小値賀町への移住は、こうした水産業やまちの人々のぬくもりにもふれる良い機会とあって、伊藤さんと同じく、子育てを終えた親世代のUターンも増えてきているそうです。
「ぜひ興味がある方は、研修制度や家賃補助など制度も充実していますので、ぜひ小値賀を訪れてみてください」。