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[移住者インタビュー]波佐見時間

「なんだか面白いことができそう」とワクワクするまち。波佐見町

波佐見町
La Seconda Casa オーナー
田口 寛貴さん
profile
長崎市出身
イタリアンカフェ「La Seconda Casa(ラ セコンダ カーザ)」オーナー
長崎市滑石にあったイタリアンレストラン「La Seconda Casa(ラ セコンダ カーザ)」のオーナーでバリスタの田口さんは、店舗創業10年の節目として波佐見町への移転を決意しました。生活のあらゆるものが揃う住宅密集地から緑あふれるやきもののまちを選んだその理由、住居と店舗のW引越しにまつわるエピソード、そしてこれからの波佐見町に期待するコトとは。生豆からこだわる自家焙煎のおいしいコーヒーをいただきながらお話を伺いました。

土地探しで気がついた波佐見町の魅力

土地探しで気がついた波佐見町の魅力
「住居兼店舗として成り立つか」。この条件を掲げ、長崎県内各地で土地探しを始めた田口さん。東彼杵や諫早、大村など、他にもさまざま巡りましたがなかなか条件に合いませんでした。

そこでたまたま訪れたのが波佐見町の、800坪ほどある農地。道の整備など手入れが必要でしたが、そこから見下ろすまちの景色が大変美しく「ここだ」と決断。ちょうど地主さんが土地を手放そうとしていたタイミングだったため、さまざまな巡り合わせの結果だったと田口さんは語ります。
波佐見町移住のさらなる追い風となったのは、初めてまちの魅力に気がついたこと。新規参入や若手の社長、いわば窯元の二代目が精力的に活動し、全国的に発信を行っていたり、飲食店も多く、土日は地元の買い物客や観光客で賑わうといったことが、土地探しで訪れた際に実感したといいます。

新興住宅が増えていることから若い世代の移住を歓迎している雰囲気を感じること、子育て世代も住みやすく子どもの活気ある声がよく聞こえること。当時、もうすぐ小学一年生になる娘さんのことを考えても、波佐見町は移転・移住先にとても適していると判断したそうです。

肌で感じたパワフルで前向きな空気感。北部九州エリアや本州へのアクセスの良さなども決め手でした。

「このまちなら面白いことができそうだ」。お店を創業して10年の節目、田口さんの新しいチャレンジの場として波佐見町が選ばれました。

W引越しの大変さを補うフォロー体制の有難さ

W引越しの大変さを補うフォロー体制の有難さ
家の完成を12月末に控え、まず懸念されたのは娘さんの心の準備。小学校に進学という大切な節目だったため、娘さんの気持ちを汲んで三学期から移住することになりました。

学校までは距離があるため、毎朝6時50分には家を出て集団登校。学校生活を楽しく満喫しているようで、「受け入れてもらってよかった」と一安心。

お店と住居同時の引越しは、やはり膨大な量の運搬があったため大変だったようす。しかし、波佐見町の知り合いが2トントラックを貸し出して応援してくれたり、資金面では「移住支援金」のほか、「創業チャレンジ支援事業補助金」、「浄化槽設置整備事業補助金」といった補助金の活用にとても助けられたと話します。

「波佐見町は、町長をはじめ人との距離感がクローズであたたかい。また、移住や創業に関わる補助金も積極的に支援してくれる印象ですね」

また、ちょうど田口家の引越しの時期が、波佐見町内の全小中学生の給食費が無償化されるタイミングだったとのこと。

「本当にとても助かりました」と田口さんは微笑みます。

おもしろいことを引き出してくれるまち

「先ほど新興住宅が増えてるとふれましたが、そうなると飲食店やカフェなどのお店もどんどん増えるはず。長崎県内のなかで何かおもしろいことをやってくれる町なのではと思う。コンパクトシティだからこそ、人口に対してやれることがたくさんあるのでは。可能性を広げてくれるんじゃないかなと」

やきもののまちとして、若い世代が頑張っている姿はもちろん、それを応援するまちの姿勢にとても好感が持てると田口さん。

飲食店に関しても、住み始めてからバリエーションの豊富さに驚いたそう。

「他の店舗と協力して、一日限定のコラボメニューイベントとか、まちが盛り上がる楽しいことがどんどんできそうな雰囲気です。今後は、滑石の店舗のときに繋がっていた長崎県南や福岡、東京といった店舗を呼んで波佐見町でイベントをやってみたいとも考えています」

波佐見は移住者も多いけど、地元の人含め「なにかやってやろう、まちを盛り上げよう」という行動力にあふれた人も多いと感じているそう。
「地元の生産者さんたちが身近にいらっしゃることも、飲食店としては有難いですね。御縁をいただけたら、育ててらっしゃる農作物をメニューに使わせていただいたりとか、お互いにとって良い関係性を築いていきたいです」

移住者として少しずつまちのさまざまな表情にふれていくなかで、特に田口さんが好きなのは中尾山の景色。歴史ある窯元が連なる、まるでほっと肩の力を抜ける温泉街のような、あたたかく昔ながらの雰囲気に惹かれているそうです。

「窯元さんともこれから繋がっていきたいです。この食器は、実はオリジナルで作っていただいたもので。すごく嬉しいです。飲食店のニーズと窯元さんのニーズをうまく掛け合わせていきながら新しいうつわが作れたらと思います」

「食✕うつわ」の可能性の広がりについても、きらきらとした眼差しで語ってくれた田口さん。おいしい香りとともに、新しい風を波佐見町に呼び込んでいきます。