1日24時間の中で中心となるのは、大切な家族との暮らし。宮田悟史さん・友香さん夫婦は、大きな青い海のように穏やかな心で、毎日を健やかに暮らしている。福岡県の企画制作会社に務めていた友香さんは、当時松浦市のPR業務に従事。ロゴのデザインや企画立ち上げなど精力的に動いていたが、もっと地元で暮らす人の顔が見える距離で魅力を発信したいという気持ちから、松浦市の地域おこし協力隊となる。「初めて松浦市を訪れたときは、空の青さ、海の広さ、そして地元の人が親戚みたいに声をかけてくれることが印象的で、福岡市内からこんな近くにあることが意外でした」。協力隊としての大きな取り組みの一つが、松浦市の情報発信拠点となるサイト「青の大学」の立ち上げと運営だ。松浦市を愛する人を青大生と位置付けて、地域に根ざした活動を共有し、移住促進に繋げることが目的。友香さんは制作や取材を通して、地元の方との距離が近づいたそう。そして任期終了後も松浦市で暮らすことの後押しとなったのは、悟史さんの存在だった。
「協力隊の期間は、松浦市で„やってみよう"という感覚。結婚してからは、この場所で„やっていこう"と覚悟ができました」。神奈川県からUターンしてきた悟史さんは、都会で培ってきたスキルを活かしてプログラミング開発やHP制作に取り組むだけではなく、地元中高生向けの塾も開いている。「地方はニーズに合わせて動ける臨機応変さが大切かもしれません。家族との時間も大切にできていて、日々の暮らしに満足しています」。家事も子育ても夫婦で協力。友香さんも、家族の時間をベースにした生活に心地良さを感じている。「松浦市では子育てや食事、睡眠の時間を確保した上で、地元の方を対象にデザインの仕事も両立しています」。自分の得意なことで地域に貢献しながら、のんびり笑顔で家族と暮らす。そんな選択肢があることを知ることが、移住の第一歩となる。