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[移住者インタビュー]佐々時間

なにもない。だからこそ人と人が、心地よく繋がる。佐々町

佐々町
立ち飲み店「ニコ家」店主
石井 佳香さん
profile
千葉県出身
石井佳香さんは、ご主人の転勤を機に旦那さんの地元である佐々町へIターン移住して17年。2人の子どもを立派に育て上げたお母さんで、佐々町観光協会コーディネーターを3年間務めたのち現在は居酒屋「ニコ家」のママとしてカウンターに立っています。佳香さんの念願だったこのお店は、昼間からお酒を愉しめるとあって地元客や移住者が息抜きを愉しむ憩いの場。「佐々町は、周辺の市や町と比べて目立った観光資源はありませんが、住んだらきっと好きになります。あまり言うと怒られちゃうんですけど(笑)」と、佐々町への想いをストレートに、愛着を滲ませながら話してくれました。

居心地が良くて戻りたくなるまち

居心地が良くて戻りたくなるまち
まだ西九州自動車道がまだ開通していなかった頃からの移住者で、現在は佐々町羽須和免で立ち飲み店「ニコ家」を営む石井佳香さん。

正直なところ、はじめは佐々町に溶け込めるか不安だったと当時を振り返ります。盆正月で旦那さんの実家に帰省していたとはいえ、お腹に子どもを抱え3歳の長男を連れての新生活は心細いものでした。

住み始めて数年経つと、その寂しさはすっかりなくなっていました。佳香さんと同じく本州からIターン移住してきたお母さん仲間との交流が深まり、地域との繋がりも増え、見える景色が変わってきたからです。

「ご近所さんが茹でた筍をおすそわけしてくれたり。いったん打ち解けると、本当に親切にしてくださるんです。あと、夫の古くからの友人の空手の先生が子どもたちに声を掛けてくれて、成長させてくれたことには感謝が尽きません」
佐々町役場で臨時の事務員として働いたのち観光コーディネーターの仕事を受けることになった佳香さんは、仲間の職員とともに町内を駆け回りながら、佐々町の魅力をSNSや独自に開発したオリジナル商品などを通じて全国に発信しました。3年間の活動の中で、改めてまちの歴史や豊かな自然、地域の人々の温かさにふれ、ますます佐々町が好きになったと話します。

「取材した地域の皆さんの声や自分の体験を通して、佐々町の居心地の良さを再確認しました。私の周囲にもUターンやIターンする人が多いと感じます。佐々ってなんか良いまちだよねと、移住者の方とお店のカウンターでお話をすることもありますよ」

子育て世代に嬉しい自然体験、食育、暮らしのサポート

佐々町の魅力の1つに「子育てのしやすさ」があります。町の中央を佐々川が流れ、山々に囲まれた豊かな自然あふれる環境には、大型遊具を備えた広い公園に加え宿泊や農業体験もできる農業体験施設、野球場やサッカーコートや町民体育館といった運動施設も充実しています。

家計の大きな手助けとなる補助金もあり、高校生まで適用の医療費助成制度をはじめ、スポーツの全国大会などの遠征費や給食費、出産費用など、快適な子育てのためのさまざまなサポートが行われています(2024年2月現在)。

「婦人会や老人会の皆さんがとにかく活発で元気。自宅の田んぼを貸してくださって、小学校で田植え体験をしたり、収穫したお米を炊いておにぎりパーティーをしたり、温かい地域との関わりが、子どもたちにとっても良い経験になっていると思います」

また、お料理好きな佳香さんが驚いたのは食材の新鮮さと安さでした。

「特にカワハギやチヌ、ミズイカなど魚介の安さが東京都内とは桁違い。娘が生まれたばかりの頃は、よく白身魚も離乳食にして食べさせていました。食育にも良い環境ですよね」

移住したばかりの頃は3歳だった息子さんも立派な社会人となり、ときどきお店の手伝いで佳香さんとカウンターに立ちます。

「色んな年代の方とお話できるのが楽しいです」と穏やかに微笑むその表情からは、まちの人たちに見守られながらのびのびと育ってきたことが伺えます。

住めばわかる。きっと、好きになる。

佳香さんが念願の立ち飲み店「ニコ家」をオープンしようと決意した移住16年目の節目。以前は色々と場所を検討していたものの、佐々町の一択になったそうです。

「スナックや飲み屋さん、皆の仲が良くて、その中をお客さんがくるくると周遊している感じ。お店側も、お客さんたちに大事にされていることが分かっているから。老舗も新しいお店も元気に営業しているのはそういう理由なのかもしれません」。
こうして現在は人々に憩いの場を提供している佳香さんですが、彼女自身も息抜きを忘れていません。時には子どもたちや仲間と一緒に登るというお気に入りの「古川岳」登山。秋から晩秋にかけてがベストシーズンで、展望台から見る町のコンパクトさ、登山中に見る山の表情や同行者とのひとときに魅力があるとのこと。まるで佐々町での生活そのものです。

「住んだら本当に好きになりますよ。実際に、住む前よりも今が充実していて好きだなぁと思えるので」。以前は東京にも長年暮らしていたという佳香さん。気がつけばその年数をすっかり超えてしまいました、とにっこり。